本記事ではスタジオしまづ1週間ゲームジャム(ss1w)に参加し、ミニゲーを5日で完成させたときの振り返りから良かった点を抜き出して紹介します。
ミニゲーを5日で作れた方法
1週間ジャムなど短期間で作るときには行き当たりばったりでは間に合わないです。戦略を立てていくと良いと感じました。
まずはコンセプトを決める
なにはともあれ、コンセプトを決めます。いろいろつっこまれそうなのですが、ここではゲームを通してプレイヤーに何を楽しんでもらうかをコンセプトとします。
これがないと、のちのゲームに盛り込む機能を選定できないので非常に重要です。
今回は、当時ヴァンパイアサバイバー系にハマっていたので、サバイバー系の面白い要素のうち「レベルアップ強化で手軽に無双を楽しむ」をコンセプトにしました。
コンセプトを実現するための要素を洗い出す
コンセプトが決まったら、それを実現するために必要な要素を洗い出します。
今回はパクリ元の面白い要素のうち、コンセプト「レベルアップ強化で手軽に無双を楽しむ」だけに重点を置きます。
たとえば、
- プレイヤーはオートで弾を出す
- 敵が出てくる、どんどん敵が強くなる
- プレイヤーもインフレ気味に強くなる
のような感じです。
ここができていれば最低限のコンセプトは実現できるという要素を抜き出すのがコツです。
整理して間に合うように要素を削る
ここが本記事のメインの部分です。
だいたいの要素が洗い出せたらリスト化しておき、カテゴリ分けして整理します。
公開するのはとても恥ずかしいのですが実際の様子の一部をお見せします。
まずはリスト化した段階から。
こんな感じです。
次に、洗い出した要素を作業工程とカテゴリに分けていきます。
整理してみると、実現したい内容の実装方法がわからない要素がけっこう出てくると思います。
これらはゲーム部分の実装のまえに調査するようにPGの工程とは分けて先に全部しらべるスケジュールにしておいてください。
開発の終盤で実装不可能な要素が出てくるとゲームジャムでは致命的です(私も、unity1weekで何度かやらかしました・・・)
だいたい整理できたら、次に各項目にどれくらい時間がかかるかを入れていきます。
ええ、どれくらいかかるかわからないのは重々承知です。
偏見ですが、きっとプロでも正確な見積は難しいんじゃないかと思います。
仮でもいいので予定時間を入れて下さい。
予定の時間がうまったら合計します。
このプロジェクトでは約40時間になりました。無理です。間に合いません。
ここから、期日までに使える時間に収まるように要素を削っていきます。
このとき、コンセプトを実現する直接的な要素は削らずそれ以外を簡易化したり削ったりします。
たとえば、敵のスポーンの要素に
- ランダムでどっかに出す
- プレイヤーの周辺には出さない
- 画面外からは出さない
という要素がありましたが、コンセプト「レベルアップ強化で手軽に無双を楽しむ」にはあまり影響がなさそうなので仕様としては「固定位置からランダムで選んで出す、プレイヤの横に突然でても仕方ない」としました。
一方、
- 自動で弾を出す
- 自動で敵を狙う
という要素はまったく実装の手段が分からず時間がかかりそうでしたがコンセプトに直結しそうなので要素を削らずに残しました。
最終的には16時間の予定となり、ちょっと頑張ればできそうな規模になりました。
実際はもっとかかりましたが・・・。
時間とやる気をつくる
予定表を作ったので、期日までにやる開発作業が決まりました。あとは実際に動いていきます。
当然ですが作業時間は単純に多い方がいいです。
作業のうち、PCの前にいなくてもできるものがあります。
作業予定の最初のほうに据えた「調査」ですね。もちろん実験が必要な部分もありますが、Unityを開く前にGoogleで調べておきましょう。これにはTwitterやスマホゲーをしている時間やスキマ時間を使います。
PCでの作業は気合です。がんばってください!
とはいえ、がんばるにも、ひとつコツがあります。
小さなことからでも作業を開始するとやる気がでてくるというのは経験したことがあると思います。
ちょっと掃除し始めたら部屋中の整理をしていたとか。
この現象を活用します。
元気なうちに予定表を2時間程度の作業量に詳細化しておいてください。
こうするとイマイチ元気がないときにありがちな「あー今日なにから始めよう?」とか、「この作業、なにから手をつけていいのか考えるの面倒だなあ」といった手間がなく小さなことから作業を開始できます。
実際にかかった時間と困ったポイント記録する
今後のために、実際にかかった時間は記録しておいたほうがよいです。
あとで見返して「思ったより時間かかる作業」とか「不要だった」作業とかを見つけておくと、つぎに作るゲームの予定の時間が少し正確になるかもしれません。
あと、困って解決した方法は絶対に残しておいたほうがいいです。
苦労して解決したから覚えているはずと思うかもしれませんが、同じことをGoogleで調べがちです。私は。
頑張って覚えた二次関数の解の公式の導出手順とか覚えていますか?(覚えてたらごめんなさい)
アセットを有効に使う
今回のゲームではTopDownエンジンを使いました。モデルはCute Petを使っています。音もBGMもエフェクトもアセットを使っています。
そこで余裕を稼ぎ、オートエイムやオート弾、ゲームのルールやコンセプトを実現するためのあれやこれやのオリジナル部分にほぼ時間を費やしています。
絵がかけないプログラマの個人的な偏見ですが、プログラマ型のひとは素材を自作しはじめるとゲーム完成しないんじゃないかなあと疑っています(やっぱり偏見です)。
私はBlenderを開いてお蔵入りになったゲームが何作もあります・・・
ゲームを表現の場として素材を作ってらっしゃる方は本当に尊敬します。
なので、ゲームを作る過程そのものを楽しむのであればフルスクラッチ、ゲームを作って何かをしたい(楽しませたいとか)ならアセットを使っていいんじゃないかなあと思っています。
まとめ
本記事ではスタジオしまづ1週間ゲームジャムでヴァンサバ系ミニゲーを5日で作った方法を紹介しました。
- まずはコンセプトを決める
- 要素を洗い出し整理、間に合うように削る
- 時間とやる気を作る
- アセットを有効に使う
みなさまのゲームジャムが完成することを祈っております。
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